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名前がちがう!?流通名と鉱物学名が異なる鉱物たち

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流通名と鉱物名の違い

「インカローズ」や「ハーキマーダイヤモンド」って聞いたことありますか?
じつはこれ、鉱物の“本当の名前”ではないんです。

今回は、宝石や鉱物の世界でよくある「流通名」と「鉱物学名」の違いについて紹介していきます!


流通名と鉱物学名って?

  • 流通名(コマーシャルネーム):販売やマーケティングで使われる名前。覚えやすく、魅力的に見せるためにつけられた名前です。
  • 鉱物学名:鉱物学的に定義された、科学的な名前。成分や構造で決まります。

たとえば「タンザナイト」は、鉱物学的には「ブルーゾイサイト」という全然ちがう名前なんです!


有名な“名前ちがい”鉱物たち

🌹 インカローズ(ロードクロサイト)

  • 流通名:インカローズ
  • 鉱物名:ロードクロサイト(Rhodochrosite)
  • 理由:アンデス山脈で産出し、インカ帝国にちなんで名付けられた愛称。バラ色の美しい結晶が特徴。

💎 ハーキマーダイヤモンド

  • 流通名:ハーキマーダイヤモンド
  • 鉱物名:クォーツ(水晶)
  • 理由:アメリカ・ニューヨーク州ハーキマーで採れる、両端が尖った高透明度の水晶。ダイヤモンドのような見た目が由来。

💚 ツァボライト

  • 流通名:ツァボライト
  • 鉱物名:グリーングロッシュラーガーネット
  • 理由:ティファニー社がマーケティング用に名付けた名前。産地のツァボ国立公園が由来。

🔷 タンザナイト

  • 流通名:タンザナイト
  • 鉱物名:ブルーゾイサイト
  • 理由:「ブルーゾイサイト」では売れないと判断したティファニー社が、タンザニア産であることから名付けたそう。

🍓 ストロベリークォーツ

  • 流通名:ストロベリークォーツ
  • 鉱物名:ゲーサイトインクォーツ、レピドクロサイトインクォーツ
  • 理由:赤い内包物がイチゴっぽく見えるから。見た目のインパクトが大事!

🌈 アメトリン

  • 流通名:アメトリン
  • 鉱物名:バイカラークォーツ
  • 理由:アメジスト(紫)とシトリン(黄)が1つの結晶に混ざったタイプ。造語です。

✨ スーパーセブン

  • 流通名:スーパーセブン
  • 鉱物名:クォーツに複数の鉱物が内包
  • 理由:7つの鉱物が含まれているとして話題に。実際には組み合わせは色々です。

なんで名前がちがうの?

理由はいくつかあります!

理由内容
💰 マーケティング戦略覚えやすく魅力的な名前で売れるように(例:タンザナイト)
🌍 産地のアピール地名を使って特別感を演出(例:オレゴンサンストーン)
🎨 見た目や印象の強調色や模様にちなんだ愛称(例:ストロベリークォーツ)
🧓 伝統や俗称の名残昔からの呼び方がそのまま流通名に(例:インカローズ)
🔬 鉱物分類の進化昔は同じとされていたが、研究で別物とわかって名前が分かれたことも

おわりに

鉱物には「見た目の名前」と「科学の名前」がある!
なんだか人間のあだ名と本名みたいですね😄

お気に入りの石があったら、ぜひその“本当の名前”も調べてみてください!


参考リンク